Report

ツアー「建築の旧東海道を歩む」

日時:2019年11月30日(土)13:00-14:30
見学場所:寄木神社、海徳寺、南品川旧交番など
参加者:12名
ナビゲーター:倉方俊輔(東京建築アクセスポイント)
担当:山東真由子(学生スタッフ)

冬晴れの中、旧東海道沿いの新馬場から青物横丁まで歩きました。宿場町として栄えた品川には《品川神社》や《寄木神社》、《海徳寺》など寺社が多く、それらの門や扉に施された巧みで親しみやすい装飾は民間の信仰を集めてきた証です。関東大震災後に流行したモダンで耐火性の高い看板建築の商店の数々やアールデコ風の《南品川旧交番》、医院として今も使われている洋館からは、時代によって求められる建築が変化していく様が見て取れました。また、看板や丸みを帯びた窓枠が特徴的な《昭和ネオン》は、品川が工業の町という一面も持つことを物語っています。明治時代には天皇の行幸の際の滞在場所となり、現在は公園に姿を変えた品川宿本陣跡を訪ね、歴史の積み重ねを感じることもできました。

旧東海道にこのように魅力的な建物が多数残っているのは、必要に即した高い建築技術と、建物の魅力を自覚し、使い続けてきた町の方々のおかげだということを学びました。ツアーには年齢や性別によらず幅広い層の方が参加され、熱心に解説を聞いたり、写真を撮ったりと楽しんでくださっているようでした。普段近くを通っている地元の方でも存在を知らなかった建物の魅力を知ることができたという嬉しいご意見や、来年度以降の開催に期待する声もいただきました。スタッフとして参加し、狭い歩道で立ち止まってお話を伺う際や、商店を撮影する際の配慮、特別公開中の寄木神社での誘導などが課題だと感じました。このイベントに関わらなければ知らなかった建物を多く知ることもでき、とても勉強になりました。

レポート:山東真由子
写真撮影:山田新治郎