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杉野記念館、杉野衣裳博物館

日時:2019年11月30日(土)10:00-16:00
担当:阿久根直子、川島純也、櫻田尚子、工藤裕子(以上、社会人スタッフ)加古理沙子、宮本大句見、顔欣、鈴木光、山東真由子(以上、学生スタッフ)
建物解説:杉野秀子(杉野記念館館長)
ツアー参加者数:1回目(10:30-11:00)6名/2回目(14:00-14:30)11名
入場者数:109名(杉野記念館)/ 14名(杉野衣裳博物館)

《杉野記念館》に到着したとき、14時からのツアーを控え玄関前は10名以上の人だかりでした。玄関ポーチには陽が差し込んでいて心地よく、ツアーの開始時間まで外観を見学する人も多かったです。参加者は30代~50代の女性が8割程度。建物解説は洋服が展示された応接室にて行なわれ、ナビゲーターの杉野館長より杉野学園の成り立ちや建物の変遷について解説して頂きました。参加者全員で館内を巡るということは特に行われませんでした。解説終了後もコンスタントに5~10名ほどの方が館内を訪れ、閉館の約30分前まで人が途絶えることはありませんでした。滞在時間は平均15~20分程度だと思います。

参加者は建築関係者だけでなく、ステンドグラスの愛好者や杉野学園の卒業生など服飾関係の方も見受けられました。女性は二人組で、男性は単独での来館が多かったです。特に注目されていたのはアールデコ調のインテリアとステンドグラス。クリスタル調のドアノブや寄木の床などの細部にも注目され、熱心に撮影をされる方が多く見受けられました。多かった質問もやはりこれらに関するものです。一番印象的だった質問は階段の踊り場に設えられた大きなステンドグラスに関するもの。「凸型の歪みがあるように見えるけれど、どのような意図なのでしょうか?」入口でお客様を出迎えていた館長に尋ねたところ真相は分からず。ただ「戦火に晒された建物は思いもよらない爪痕を残しているかもしれない」とのこと。設計者の意図しない痕跡を探してみるのも、この建物の魅力のひとつかもしれません。

レポート:川島純也
写真撮影:山田新治郎