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大井バプテスト教会
日時:2019年11月30日(土)13:00-15:00
担当:柏木裕幸、大河戸正明(以上、社会人スタッフ)、毛利未来(学生スタッフ)
建物解説:加藤誠(主任牧師)、平井充(元吉原設計事務所所員/メグロ建築研究所)
ツアー参加者数:1回目(13:20-14:00)7名/2回目(14:20-15:00)5名
入場者数:80名
公開時間が短いためか、公開開始前にすでに4、5人の方が待っていました。受付で「ツアーの方ですか?」と確認していると、「外れてしまいました」などの回答があり、「まもなくツアーがはじまりますが、1階にいる間は一緒に話が聞けますよ」と案内すると喜んでくれました。
まず1階礼拝堂で加藤先生がバプテスト教会について説明を行いました。建築的な話として、バプテストの洗礼は頭に水滴をふりかけるのではなく、イエス・キリストと同様に全身を水に浸すため、十字架の下に浴槽のようなものがあるという話に、驚かれている方が多かったようです。平井先生からは、「そのため二重壁になり開口を設けるのが難しい」と補足がありました。そして改築等を行なった建築家吉原正についての説明がありました。中村順平のもとで古典主義を学び、近代化の中で古典主義に基づいた美しい比例に力を注いだそうです。特に、格子を和・洋ともに調和するデザインとして重視し、扉の格子を一つデザインするにも数十案検討されたという話が印象に残りました。ツアー参加者以外も合わせて28名の方が、熱心に話を聞いていました。
その後ツアー参加者は2階に移動し、初代の牧師さんが戦中にリヤカーで群馬まで疎開させたという、手作りの講壇とオルガンを拝見しました。同じ設計事務所出身の武藤章や吉村順三との比較、ラワン合板等の材料、構造の特徴など当時の時代背景を含めての説明に、みなさん興味を引かれているようでした。最後に外部に移動し、改築の経緯等の説明が行なわれ、ツアーは終了しました。皆さん、とても満足した表情をされていました。
レポート:大河戸正明
写真撮影:和田菜穂子